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| 大地から出る放射性気体“ラドン” |
| ラドン“汚染”調査進む |
| ラドン濃度高める部屋密閉 |
| ラドンによる肺ガンのリスク |
| 日本家屋のラドン濃度観測データ |
| 日本でもラドン屋内濃度について,約5年間をかけた全国調査 |
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| 大地から出る放射性気体のラドンは,呼吸で人体に入り,肺がんを起こす危険が指摘されている。欧米各国ではここ数年,調査の進展からラドン濃度の高い住宅が見つかり,大きな社会問題となってきた。日本でも約5年間をかけた全国調査が行われ,その結論がまとまりつつある。それによると,欧米に比べラドンの屋内濃度は低い。だが,生活様式が急速に変化してきており,今後は注意が必要になりそうだ。 |
| 一人の人間が自然界から受ける放射線量 |
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| 一人の人間が自然界から受ける放射線量は,1988年に原子放射線の影響に関する「国連科学委員会」がまとめた報告書によると,年平均2.4ミリシーベルト(240ミリレム)。このうち,実に約半分がラドンに関係した被ばくと考えられている。最近まで,この値は1ミリシーベルト(100ミリレム)程度と言われたが,これにはラドンの肺に対する影響が含まれていなかった。 |
| ラドンは肺に被ばくをもたし,ときにがんを引き起こす |
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| 放射性ラドンは,大地に含まれるウランが放射線を出して変化し,安定な鉛になるまでの一つの姿だ。地質によって濃度は異なるが,ウランはどこにでもあり,地中でラドンが生じる。気体なので,地層の割れ目などを通って地表に出てくる。日本の屋外の空気には,データによって差があるが,おおむね1立方メートル当たり5ベクレル程度が含まれる。これが呼吸によって人体に入る。半減期は3.8日。アルファ線やベータ線を出して,肺に被ばくをもたらす。ときにがんを引き起こす。 |
| 米国の調査結果 |
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| 米国では最近,ラドンがたばこに次ぐ肺がんの原因で,死者は年2万人にのぼるという調査結果が出た。英国放射線防護委員会は昨年,1年に約2500人がラドンによる肺がんで死んでいると報告した。 |
| 欧米ではラドン汚染が問題化 |
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| 欧米ではラドン汚染が問題化した背景には,ラドンが多く出る地質,窓を閉めるのが一般的な生活などがある。スウェーデン政府は汚染のひどい家庭にラドン濃度を下げるため,屋内や床下を換気といった対策を勧告している。「北欧には住民の被ばく量が,職業人の被ばく限度の年50ミリシーベルトを越す所もある。職業人を規制して,一般人を放っておくことはできないでしょう」と科学技術庁放射線医学総合研究所の阿部史朗・環境衛生第一研究室長はいう。日本には濃度の規制はない。平均値が欧米に比べ低いとみられるためだ。科学技術庁放射線安全課は「緊急に対策をとらねばという状況ではない。全国調査の結論によって考える」との姿勢だ。 |
| 日本での屋内ラドン濃度の実態 |
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| 放射線医学総合研究所を中心と二つのグループが、日本での屋内ラドン濃度の実態を知ろうと、調査を進めている。
小林定喜・総括安全解析研究官たちのグループは,全国調査の中間報告として、調査家庭約6300軒の平均濃度は1立方メートル当たり28ベクレルだったと発表した。米環境保護局が決めた基準(同約150ベクレル)を越えたのも,0.5%に当たる29軒あった。藤元憲三主任安全解析研究官は「米国では20%が基準を越えていると言われる。これと比べると日本では高濃度の家庭は少なそう」といっている。 これとは別に阿部さんらも,屋内ラドン濃度をを各地で測定してきた。対象家庭約250軒の平均は約10ベクレルと,小林さんらの結果よりさらに低く,阿部さんは「日本ではそう心配することはない」とみる。両調査とも危険なレベルではないが,平均値の差は3倍に近い。同研究所の戸張厳夫・科学研究官は「多数の地点でデータを取る測定,数は少ないがきめ細かく調べる測定,と考え方が違い,差が出ている。だが日本のラドン状況が,国際的に求められている時期。両調査の方法を比較する実験が行われている。 |
| 欧米ではラドン汚染が問題化 |
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| 一方,建設省建築研究所の浅野賢二・主任研究員は,研究所内に設けた地下室で,コンクリート壁に開けた穴から入ってくるラドンで,部屋の空気が汚染される様子を観測。穴のゴム栓をはずすと外の土壌からラドンが流れ込み,10時間後には空気一立方メートル当たり780ベクレルまで上がった。「密閉度の高い部屋では換気などの注意が必要だ」と話す。 |